売上高を分析ストーリーは、「全体を比較」し、”なぜ”に答えを探る「全体と部分の比較」=変化率、寄与度、寄与率を診る
ビジネス経験のある方なら、売上高の変化が「自社固有の法則性」に沿っているか?イレギュラーなことが起きているのかシグナルを読み取ることができるでしょう。
ビジネスでは予算達成が気になるので、どうしても拠り所がほしいものです。自信満々で断言する人がいると、その人に従いたくなるのも無理もない。
別にその人だって複雑な事象を何もかもわかっているわけではなくて、過去のストーリーにのせて、わかった気がしているに過ぎません。
販売統計データを使った説明についても注意が必要です。一見すると、数理統計学的な分析で結論を出しているように見えても、そこには必ず分析者による解釈が入っています。
私たちは、複雑な事象をそのまま理解することはできず、少なからず簡略化したストーリーを仕立てないと理解できません。
そもそも、数百店舗を超えるようなPOSデータの動きや、数千品番を超える製品の出荷・在庫データに現れる事象をそのまま理解することはできません。
その意味で、何らかのフレームワークや”ストーリー化”を通してビッグデータを見ることは避けられません。
その意味で
起 承 転 結のストーリーで売上高分析をストーリー化することを推奨しています
起:(いま起きていることを掴む)売上高を全体で過去と比較(昨年同期比、前月対比、予算対比、競合比較)して様子を診る
承:(核心をつかむ)少し、変だとおもったら商品群やエリア、得意先にわけて「全体の動きと部分を比較する」
転:(一歩先を読む)”なぜ”に応える原因が推定できそうなケハイがあれば、エリア、チャネル、顧客、商品カテゴリーにわけて「変化率」「寄与度」「寄与率」を診る
結:(洞察を行動プランにする)重回帰分析で営業活動に重要な施策を具体化し、ストーリーを完成させる
しかし、例外のない完璧なストーリーは、かえって危険です。きっと説明のつかない物事を外しているから完璧なのでしょう。
ひとりよがりのストーリーを通してビジネスを見ることは危険ですが、しばしば陥りやすいコトでもあります
自分のフレームワークを全部壊して一から作り直すのは無理にしても、複数の眼でみて、ストーリーを協働執筆したり、
第三者が時々は手直ししないとまずいことになります
ちなみに
「変化率」=今月の売上高-前月度売上高/前月度売上高
「寄与度」=特定セグメントの変化率*(特定セグメントの売上/全体の売上)
「寄与率」=特定セグメントの寄与度/全体の変化率
**特定セグメントには「エリア」「チャネル」、「顧客」、「商品カテゴリー」などが想定できる
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