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トポロジー最適化を考える

by / 水曜日, 27 9月 2017 / Published in データサイエンスコラム

先だって、日経新聞の記事で「マツダ、車体平均3%軽量化 「電脳」味方に設計改革
限界突破の設計改革(上)」 2017/7/11
という記事がめについた
要旨は以下のとおりだ『マツダは車体の軽量化を図るため、2012年以降、6車種に対して車体の剛性、騒音振動(NVH)、耐久性、衝突安全性について車種ごとに要件を満たしつつ、車体構造部品の板厚を最適化するトポロジー最適化を適用してきた。計算上は平均6.3%の効果を得られるとの結果を得ており、実際には計算に入れていない製造上の制約のため効果は減るが、それでも実製品において平均で2.9%と、一定の軽量化効果を得られた。たとえば「CX-5」については、板厚に加えて材質(高張力鋼板のグレード)も設計変数にした。』

ここでは詳細に触れないが、構造最適化では
1:寸法最適化
2:形状最適化
3:トポロジー(形態)最適化
の3種類があるが、トポロジー最適化が最も自由度が高く、性能をよりひきだせる可能性が高い。

マツダがトライした「トポロジー」は「位相幾何学」のことで、長さ・大きさや折れ具合、曲がり具合は問わないが・・・

パ)つながり具合が同じ
ピ)枝分かれの具合が同じ
とみなし、数学的に同相(位相同意)とみなす。
下の首都高速道路の図を見比べてほしい。同じ意味をもっているが、片方が実際の場所や位置関係を正確に描写しようとしている。
首都高速比較

私たちは、運転しているときは道路のつながり具合と、分岐を見ているだけだ。地理的な緯度や経度など気にしていないのが実情だ。
つまり、運転している私には両方の路線図は同じ図形なのである。
これを、特徴量を落とさずに表現をかえた同相の図形という。

別途 ひらがな で同相について例示して考えてみよう。
「く」「し」「つ」「て」「へ」はつながり具合と枝分かれの具合が同じである。どれも1本の線からなっている。

「い」「こ」「り」も同様に同位相だ。

では・・・「せ」と同位相の ひらがな は何だろう?

マツダ、スバルなどはトポロジー最適化を駆使して軽量化を達成している。
部品重量の最軽量化を目的に計算するのであれば、制約条件は強度(剛性)や体積などが考えられる。
つまり部品のもつ剛性は維持(最大活用)しながら、部品の重量を最小化する最適化計算だといえる。

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