需要予測モデルについて
関西で行われた展示会で大手メーカーの30代後半にみえるスラッとしたイケメン課長さんから
『過去の販売実績データはたくさん溜まっとるんやけど・・たとえば。。。
- 量販店さんへ土日にどれだけ出荷したか・・・、
- 工務店・工事店さんに夏休み期間の集中工事やら年度末の追い込み工事時期にどれだけ売ったか
こんなデータは溜まっているから、”どんだけ売れるか”自動的に精度よく予測できないのかな?』
というご質問、ご要望をうけたまわりました。
そも売上や作業量の時間的な変化を、連続的に(または一定間隔をおいて不連続に)観測して得られた一連の値のことを時系列データと云います
仮に自社製品の販売実績を2013年1月から2014年4月、さらには5月・6月にわたって予測を行うことは時系列分析といえます
そして、そもそも時系列に予測するには二段階あります
販売実績データなどを”データ”が時系列に並んだデータとしてとらえて
(1)長期変動(トレンド)
(2)循環変動(景気変動)
(3)季節変動(1年を周期として繰り返す動き)
(4)不規則変動(ランダムな変動)
に分解して解析する場合と・・・
販売実績が生まれる理由をほりさげて
『なぜ売れるか?』
『誰が、いつ、どこで買うか?』
『勢いよく売れているか?それとも勢いは失われてきているのか?』
『決まって、この時期に売れるのか?』
『何日か、何ヶ月か間隔をおいて繰り返し買っていただけるものか?』
そもそも、その商品を欲しいと思っている方々がどういった
(1)給与水準、年収はどの程度の方々か?
(2)なぜ買うのか?購買動機はなにか?
(3)商品ブランドとしての知名度やファンの方々の人気度合
(4)買うときはソレだけを買うのか?一緒に何かセットで買うのか?
(5)一度に一個買うモノなのか?四個セットで買うモノなのか?
(6)購入するのは個人か会社か?
(7)買うのは真夜中か?ランチタイムか?
消費者行動やプロフィールをとらえ、販売予測しようとする段階があるわけです
冒頭にあげた関西の課長さんは
- 『曜日による偏り』
- 『商品ブランドとしての知名度やファンの方々の人気度合』
- 『季節変動、トレンド変動、循環変動、不規則変動』
あたりを漠然とイメージして販売予測できないかと相談をもちかけてきたと思われます
実は
消費者行動研究はさておいて、過去の販売実績データを季節変動、トレンド変動、循環変動、不規則変動に分解することで、応用のきく精度の高い需要予測に挑戦しようとする場合は足し算、掛け算の世界で挑戦します。
この足し算・掛け算の式を予測モデルとよびます
具体的に云うと
消費税が上がる前に買っておこうという駈込み需要のたぐいであれば、税があがる直前に需要が異常に盛り上がるので盛り上がりカーブの傾きを2次曲線などの係数として求めることになります
他方で、毎日・毎朝の朝食にかかせない納豆や卵などの食品などはトレンドなどない商品でしょう
こんな商品であれば直前の販売実績に、その平均値を加えて販売予測する移動平均法、指数平滑法など足し算・掛け算で予測しても許されるかもしれません
しかしながら
経験深い方々からは店頭の売り上げは特売によっていくらでも変わるし、価格以外にも曜日や気温の影響を受けると指摘されそうです
特売(値引き)、販促キャンペーン期間、チラシ枚数、曜日、祝祭日、ポイントカード、店舗イベント、同一カテゴリー商品分類内のカニバリゼーションなど販売予測モデルに数式として組みこむことで予測精度がよくなるかもしれない変数があります
こんなときは・・・
店頭売上(Yt)=α*(特売価格)+β*(チラシ枚数)+γ*(平日か祝祭日か区分)+撹乱要因
で数式モデルになりそうです。これを重回帰予測モデルと呼びます
たくさんの種類の数学モデルを持っている需要予測システムであればどんな要望にも応えられそうですね・・?
しかし、要注意なのは・・
予測データを発注量の決定や、在庫量を決めたり、マーケティング施策を決めるのに使うのは誰でしょう?
- 全国の街角にある店舗の店長さんがタブレットで使うのか?
- 大都市にある営業所の所長さんが予算管理に使うのか?
- 海外販社から日本の工場向けに国別・マーケット分類ごとに需要予測してデータを送信するのか?
- 生産計画を作成する際に、KD部品や主要部品・材料の内示を発行する際の部品予測
など拠点別に予測する場合の品目階層やロケーション階層のモデルを簡単に組めるシステムが必要なのです
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